お客様が感じる価値は、
自分で自覚している価値と
自分で自覚していない価値があります
あるいは自覚していても言いたくない価値
お客様が口には出さない価値まで探るのがマーケッターの一丁目一番地の仕事になります

例えば
マクドナルドが健康志向の高まりを受けて、これまで何度か「ヘルシーメニュー」を導入しようとしました。
例えば、サラダや低カロリーメニュー、全粒粉を使ったパンなどを提供したことがあります。
これは、アンケート調査や市場調査で多くの消費者が「もっと健康的な食べ物が欲しい」と答えていたためです
しかし、実際に健康的なメニューを導入しても、全く売れませんでした。
人々はアンケートでは健康に気を遣っていると答えながら、実際にお店に行くとハンバーガーやポテトといった高カロリーな商品を選ぶ傾向が強かったのです

マーケティングの世界では、これを「言行不一致(attitude-behavior gap)」とも呼びます。
なぜこのような言行不一致が起きるのか?
それは、意識と現実のギャップ
人々は「健康的な食生活を送りたい」と考えていても、実際の行動は必ずしもその理想通りに動きません。
ファストフード店に行く際には、特に忙しい時やご褒美として利用することが多く「ついでに食べるもの」より「食べたいもの」を優先する傾向が強まります。
人は感情で物を買い、理性でその選択を正当化します
1. 感情による購買
多くの購買決定は、実は感情によって左右されています。商品を見た瞬間に「欲しい!」「おいしそう!」「かっこいい!」と感じることがありますよね。これが感情的な反応です。感情は瞬間的に動きますし、購入するかどうかの判断を一瞬で決定づけることがよくあります。
2. 理性による正当化
感情で何かを買った後、人はその選択を「理性的」に正当化しようとします。つまり、自分の選んだ理由を考えたり、説明したりするために、後から理論的な理由を探し始めるのです。
例えば、
高カロリーなハンバーガーを買った後、「今日は忙しかったから自分にご褒美をあげてもいいはず」とか、「たまにはこういう食事も必要だ」といったように、感情的な選択を理性で納得させる理由を作り出します。
3. 消費者心理の応用
マーケティングや広告は、この「感情で買い、理性で正当化する」というパターンをうまく利用しなくてはいけません
例えば、広告は商品に対して感情的な魅力を持たせます。
商品の見た目や使い方を見せて「これを持ったら嬉しい!」「使ってみたい!」と消費者に感じさせることで購買を促します。
その後、消費者はその商品を手に入れると、自分がその商品を買った理由を「健康に良いから」「安かったから」と理性的に説明するようになります。
まとめ購買はまず感情で行われ、その後、理性で自分を納得させるというプロセスです。このことを理解することで、商品やサービスを提供する企業は、どのように消費者にアピールすればよいか、そしてどうすれば購買に結びつけられるかを学ぶことができます。
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